イギリスの石油の町、キャンベイ・アイランド=オイル・シティ、暴力とアルコールが蔓延した環境から出て来たドクター・フィールグッドは当時全盛だったシンセサイザーを多用したソフトなロックとは全く異る存在だった。ウィルコ・ジョンソンのピックを使わない鋭いカッティングと狂気を伴った視線やマシンガン・ギターと形容されるステージ・パフォーマンス、白いスーツにくわえタバコといった出立ちのリー・ブリローのワイルドな歌声。二つの強烈な個性がぶつかり合い、全ての余分な贅肉を削ぎ落とした本当のロックが生まれた。安物のスーツに身を包んだ4人組がいかに爆発的な勢いでイギリスのロックシーンを変えてしまったか、どのように結成され、その後どのような経緯をたどったかを、当時のイギリスの文化、社会情勢、パブ・ロックというなどとともに映し出す。本作はジュリアン・テンプルの「NOFUTURE A SEX PISTOLS FILM」(原題:The Filth & The Fury)、「LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー」(原題:The Future Is Unwritten)に続く70年代イギリス音楽三部作最後の作品で、三作のなかでもっともシーンの初期を紹介している。ドクター・フィールグッドがセックス・ピストルズやジョー・ストラマーなどのパンク・ロックの文化を爆発させるのに果たしたきわめて重要な役割、パンクの前のパンク、世界最強のローカル・バンドと称される彼らの真実を知る。ジュリアン・テンプルによる「ドクター・フィールグッド 〜オイル・シティ・コンフィデンシャル〜」は彼の1970年代のイギリス音楽三部作の最後の映画である。この作品は彼のセックス・ピストルズの「NO FUTURE A SEX PISTOLS FILM」とジョー・ストラマーの「LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー」の前の時代に位置づけられる。通常のいわゆる“ロックのドキュメンタリー”とは違い、ジュリアンは音楽を使いその時代の文化や社会を映し出す。「セックス・ピストルズ/グレート・ロックンロール・スウィンドル」確立された彼のスタイルである、昔のフッテージや独特の映像をアナーキーにモンタージュする手法が使われている。セックス・ピストルズとジョー・ストラマーは有名だが、「オイル・シティ・コンフィデンシャル」で題材となっているドクター・フィールグッドがそうした文化を爆発させるのに果たしたきわめて重要な役割はまだ知られていない。バンドの結成30周年となる2011年、遂に日本上陸!