悪魔の誘惑に身をゆだねた破戒僧。 禁欲と情欲の相克がもたらす戦慄の運命とは?
血塗られた破戒僧のすさまじい背徳と、残虐かつエロティズムよって、発表当時激しい非難を浴びながらも、サド、ホフマンからブルトンに至る異貌の作家たちの賛辞によって一斉を風靡した、異才マチュー・G・ルイスが若干19歳にして描きあげた「マンク」。160年間禁書とされていたという、18世紀のゴシック小説(イギリスを中心とした、18世紀末から19世紀初頭にかけて流行した中世趣味による神秘的、幻想的な小説)の極点が完全映画化された。
不気味な森、汚れなき乙女、古城に出没する幽霊、地下迷宮のような墓地―。17世紀のスペインの荒野に立つカプチン派修道院を、幻想的な雰囲気とともに見事に再現。修道院という世間から隔離された謎めいた空間において、尼僧院の院長の横暴さとエゴイズム、嫉妬や渦まく陰謀、僧侶たちの欺瞞を繰り返し描くことによって、神の名を唱えているものの、内実は俗世と違いない人間の弱さ、儚さを時に滑稽に、皮肉を交えて描きだした。修道僧の肉体と精神の乖離という古典的な問いかけをスリリングな心理劇で描く、ゴシック・スリラーの傑作の誕生である。
生まれてすぐに修道院に捨てられたアンブロシオは、すべての欲を絶ち、規律を重んじていたが、生来の弱さの為耐えきれず愛欲に身を任せ、破戒僧となってしまう。やがて、悪魔の誘惑に身をゆだね、黒魔術に手を染め、強姦、窃盗、殺人と悲劇的な運命に巻き込まれていくー。
主演に『ブラック・スワン』(10)での怪演が記憶に新しい、フランス映画界にとどまらずハリウッドでも活躍する個性派俳優ヴァンサン・カッセルを迎え、『譜めくりの女』(06)など今フランスで最も注目を浴びている女優の1人デボラ・フランソワ、『パンズ・ラビリンス』(06)などスペインを代表する名俳優のセルジ・ロペス、チャップリンの娘という肩書きから見事に脱却している名女優ジェラルディン・チャップリンなどの豪華キャストが出演。そして、セザール賞を4部門受賞し、フランスで大ヒットとなった『ハリー、見知らぬ友人』(00)、カンヌ国際映画祭のオープニング作品『レミング』(04)のドミニク・モルが監督を務める。 17世紀スペイン、マドリッド。赤子の時にカプチン派の修道院の門前に捨てられ、僧に育てられたアンブロシオは、その熱心さから町中の人が彼の雄弁な説教を聞きにやって来るほどの僧に成長していた。すべての欲を絶ち、規律を重んじるアンブロシオであったが、出生の謎とたまに彼を襲う頭痛に悩まされていた。
ある日、傷ついた顔を覆うために仮面をかぶっているという、ミステリアスな見習い修道士バレリオがやってくる。彼は、なぜかアンブロシオの頭痛を和らげる不思議な力を持っていた。誰に対しても厳しく、そして関わり合いを避けてきたアンブロシオだったが、このことがきっかけでバレリオに心を許すようになる。しかし実は、バレリオは彼に近づく為に女性であることを隠している、偽りの修道士だったのだ・・・
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