住田雅清容疑者。42歳、重度身体障害者。コロスゾ
1999年春。 柴田は、「NN-891102」を映画祭等に出品、自主上映しながら、次回作を模索していた。 柴田は当時、芸術集団“DMT”に加わっており、そのメンバーで、 阪神障害者解放センターの職員だった仲悟志が、上司の住田雅清を柴田に紹介する。 大阪在住の住田雅清は重度の脳性麻痺を持つ障害者。 移動は電動車椅子、コミュニケーションはトーキングエイドというキーボードで 音声を出す機械を使い、介護者のサポートを受けながら自活する傍ら、 ショッキングなライヴパフォーマンスが熱狂的な支持を受けるなど、幅広く活躍。 本作は本名のまま「襲い人・住田」役に体当たりの演技で挑戦した初主演作品。 障害者の自立支援、障害者解放という住田の活動について話をする中で、 障害者とは一体どういう存在なのか、障害者が犯罪を犯した場合、 どんな扱いを受けるのかという話題になる。 住田の身体性と暴力、身体障害者と暴力をテーマにした物語は、 充分成立するのではないかという発想が生まれ、住田も映画出演に興味を示したため、 住田を主人公に、身体障害者が犯罪を犯すという映画の計画が持ち上がる。 この計画は、若手芸術家へのパトロネージュを主旨とする、『もちの木基金』からの協賛を受け、 程なく撮影の準備が始まる。もちの木基金の主宰、寺内氏が、神職だったこともあり、 近代以前、歴史的な日本の障害者観に関して、多くのアドバイスを受ける。 住田の存在感に負けない配役を目指し、介護者タケに、 バミューダ★バガボンドのボーカル、堀田直蔵。女子大生介護者、 敦子に維新派のとりいまりが決まり、人が人を呼ぶ形で、 大阪芸術大学出身者を中心にスタッフが集結。 2000年夏、撮影に突入。冬には、ほぼ全ての撮影は終了するものの、 少数のスタッフによる追加撮影と、編集作業がはじまる。 2002年、ライブドキュメント「ALL CRUSTIES SPENDING LOUD NIGHT 2002」を制作中に、MCRcompanyからシマフィルムを紹介された柴田が、シマフィルムに「おそいひと」の計画についてプレゼン。以後、難航していた作業を、シマフィルムが支援することとなり、2004年、映画として完成する。 2005年冬に、東京フィルメックスにてプレミア上映される。それ以降、そのセンセーショナルな内容のため、日本での公開が難航する。海外の映画祭での高い評価が噂となり、2007年12月、ついに日本での劇場公開が決定した。
※ポレポレ東中野館名入特別鑑賞券もご利用頂けます。イベント情報 ●初日3/8(土)本編上映前、柴田剛監督による舞台挨拶あり